自宅・空き部屋での学習塾開業ポイント

自宅の空き部屋を活用して学習塾を開業

 

  • 子どもが成人したので、空き部屋を活用したい
  • 生涯続けられる仕事を始めたい
  • 教育で地域に貢献したい

 

この3つの動機が重なって、自宅の空き部屋を活用して学習塾を開業される50代、60代の方々がおられます。

 

自宅であれば、毎月のテナント費がかからない。

 

これは真っ先に思いつきやすい経営メリットですが、学習塾の開業を支援してきた経験上、あなたがお持ちの「開業条件」を多角的に考えることが大切です。

 

 


ポイント1
そもそもどんな塾を運営したいのか?
まず、学習塾の種類(形態)を知って、

自宅の空き部屋で運営が可能かどうかを検討する。


 

学習塾は、大きく4つの形態に分けることができます。形態によって、授業の進め方、集まる生徒などに違いがあります。

 

◆集団指導塾 〜 「進学型」「補習型」
 数十人を同時に教える授業形式で、学校の授業をイメージすると分かりやすいでしょう。集団指導塾は、「進学型」「補習型」に分けられます。進学型では成績上位者を対象とした授業を行い、上位校への合格を目指す指導が求められます。受験対策の経験と指導力・実績が「信用」となるので、未経験者が手を出す分野ではありません。
※ちなみに、偏差値60以上を成績上位者とすると、全体の約20%(生徒100人なら20人程度)です。

一方、補習型は学校の授業で理解が不足している点を補う指導になります。基礎を補習しつつ、最終的には受験勉強が必要になるため、受験ノウハウに特化した専門性というよりも、幅の広い指導が求められます。集団指導・補習型は学校の授業と違いを出しにくいこと、一方的な指導になりがちなことから、個別の補習が難しく、未経験者には経営しづらい形態と言えます。

 

◆個別指導塾 〜 「講師一人 × 生徒三人」
 個別指導は、指導者一人が三人ほどの生徒を教える形態で、家庭教師をイメージすると分かりやすいでしょう。生徒ひとり一人の弱点箇所を把握しやすく、学力の伸びを確認しながら授業を進められます。自宅の空き部屋などの狭い教室でも運営できる指導形態です。(ただし、生徒別に学習進捗・成果を管理するのが大変です。管理労務で忙しくなり、生徒募集が疎かになるケースが多く見られます。管理ツールを導入するなどして、生徒が増えても安定する運営スタイルを開業当初から模索する必要があります)

 

◆個別指導塾 〜 「自立学習型」
 個別指導の一種になりますが、指導者一人がマンツーマンで指導を行う形態があります。マンツーマン指導では生徒ひとり一人の弱点が把握しやすいですが、時間あたりの稼ぎを考えると、決して効率が良いモデルではありませんでした。しかしながら、デジタル教材の登場で「生徒が自ら学ぶ」形態(=自立学習塾)が確立されました。デジタル教材を活用するため、管理労務に偏ってしまう問題も解消され、指導者は「ほめ伸ばし」「生徒とのコミュニケーション(ケア・退塾防止)」「生徒募集」に注力できます。デジタル教材の導入により、講師人件費を圧縮できるため、少子化時代にマッチした形態と言えます。(ただし、開業時にインターネット回線やパソコン、タブレットPCなどの設備投資が必要です)

 

 


ポイント2
どんな生徒にどんな指導をしたいのか?


 

集団指導塾の説明では、偏差値60以上が全体の約20%(生徒100人なら20人程度)と書きました。保護者が求める「学力問題の克服」を考えると、残り80%への指導サービスを考え、生徒募集を行って経営する方が、広く社会に貢献できると捉えることができます。

 

そもそもどんな生徒にどんな指導をしたいでしょうか。これは、教育理念につながる重要なポイントです。

例えば、学校の授業や集団指導の授業についていけない生徒へは個別の指導が求められます。もっと親身な指導がその子には合うはずです。逆に、競争の中でこそ、負けず嫌いの性質がうまく働いて力をつけられる生徒もいるはずです。そんな子は集団指導塾が向くと言えます。

 

人生100年時代。生涯学習の必要から「子どもたちが自ら学ぶ塾をつくりたい」ということであれば、デジタル教材とコーチング教育を織り交ぜた個別指導塾になるでしょう。

 

 

◆自宅開業のメリット
 自宅で学習塾を開業する一つ目のメリットは、毎月のテナント費がかからないことです。本来必要なテナント費を宣伝広告費に使えるため、攻めの経営に転じればスタートから有利な状況になり得ます。

 

 二つ目のメリットは、自宅が勤務地なので移動する必要がないことです。出勤にかかる時間を授業の準備や清掃、生徒募集(ポスティングなど)に使うことができます。趣味の時間にも充てられます。また、自宅が勤務地ということは、地域活動や散歩ですら顔を売る機会となり、生活が広報活動と合わさるので、効率的な面もあります。時間を効率よく使うことができるので、家からなかなか離れられない主婦など、仕事を兼業している場合にも魅力的なメリットです。

 


◆自宅開業のデメリット ※注意点
 自宅で学習塾を開業する際のデメリットの一つは、「ご近所の理解が必要」という点です。塾に通う生徒層によっては、子どもの声がうるさいと苦情が入る場合があります。生徒の自転車の駐輪スペースを確保する必要があります。また、公道に自転車がはみ出していないか、定期的なチェックも必要になるでしょう。

 

 二つ目のデメリットは、開業前の注意点になりますが、「ご近所から生徒が集まるかどうか」です。専門的には「市場調査」といいます。そもそも自宅に看板を設置できるのか、主要道路から見える看板の見え方はどうか、人の通行量とその年代層は・・・など、チェックすべき点が多数あります。本来、テナント選びは市場調査後に行うものです。テナントが自宅で確定している場合は「市場調査」を行って、自宅で開業するか否かの判断基準になるでしょう。

 

以上のとおり、自宅での開業と言っても、開業前にチェックすべき項目は多岐に渡ります。ぜひ、情報を充分に収集した上で、塾の開業を実現されてください。

 


関連する記事
    コメントを書く