学習塾フランチャイズか否かに関係なく、独立開校に必須の覚悟

学習塾フランチャイズか否かに関係なく、独立開校に必須の覚悟

 

満員電車に揺られ、家と会社を往復する日々。上司や得意先から怒られ続け、日々ストレスを感じ、たった一度の人生に悔いを残さないため、独立開業・開校を選択するサラリーマン。

 

学習塾の開業を選択される方々は、お金儲けというよりも、子どもたちの教育に関わる社会貢献性に魅力を感じる方も少なくありません。厳しい社会を息抜き、教育に次の人生を見出そうとしている方々に失敗してもらいたくないので、ここではあえて、辛口のメッセージを送らせていただきます。

 

私は学習塾本部で働いていますが、学習塾ビジネスは決して簡単な仕事ではありません。確かにオーナー塾長1人で生徒100名以上を指導し、2,000万円以上の収入を実現している知人は何人もいます。

 

だからと言って、軽々しく「学習塾の開業・開校」をお薦めするわけにはいきません。彼らが現在の地位を確立するまでの3〜5年の試行錯誤と努力を知っているからです。

 

また、「子ども好きではない人」「日本の未来を真剣に考えない人」には、「普通のサラリーマンとして頑張れ」とアドバイスをするようにしています。

 

まず、学習塾は単なる「金稼ぎ」ではないことを初めに認識してください。「会社を辞めて学習塾を開業したが、失敗して借金だけが残った」では、笑いものになるだけです。

 

独立開業とは、自分の力だけで食べていける実力を身につけ、「すべての責任を自分で負うようになること」だと理解してください。「自由には責任が伴う」ことを自覚してください。

 

そういう意味では、サラリーマンはかなり恵まれています。ちょっとしたミスで100万円の損失が出ても、あなたに借金が発生するわけではありません。重大なミスをしたら、上司から怒られることは確実です。しかし、あなたの給料から100万円を引かれることはありません。「会社のお金を使いながら失敗できる」好条件な待遇を有するのがサラリーマンです。

 

一方、起業すると100万円の損失を出せば、そのままあなたの生活に影響します。また、本当に生徒が集まるかどうかも分かりません(保証なし)。名刺に書かれていた「社名(ブランド)」によって周囲が信用して関わってくれていたことを知り、ショックを受ける人が多いです。会社の看板や商品、信頼など、すべてがゼロの状態から始めなければいけません。(ゼロから始めたくないのなら、フランチャイズに加盟しなくてはならない)

 

少なくとも、最初の半年は何も考えずに学習塾経営だけを行い、生徒募集に80%、管理に20%のリソース配分で努力をしなければいけません。このような現実が学習塾での独立開業です。

 

会社に行けば仕事が用意されていて、無難にこなせば必ず毎月給料が支払われる・・・。それなのに、将来に不満をもち「自由に仕事をしたい」と思う人は多いです。

 

独立開業に向けて情報収集を徹底し、半年〜1年スパンで計画して圧倒的な努力を行い、成功だけを信じて行動できる人であれば、起業に向いています。学習塾に限らず、成功者に共通して見られる「雰囲気(オーラ)」と言えます。あなたは、「成功者のオーラ」をお持ちでしょうか?

 

これらの事実を認識して、ビジネス感覚と同時に「子どもたち」「日本の未来」を考え、実際に行動できる人なら、ぜひ学習塾業界へ来ていただきたい。「AI時代の教育」「世界で活躍できる人材育成」など、有志の方々の力が必要とされています。


学習塾で脱サラして成功するには

学習塾で脱サラ成功のポイント

 

脱サラして学習塾で成功するためには、押さえておくべきポイントがあります。2002年以来、学習塾開業を支援してきた立場だからこそ言える、極めて重要なポイントのみを挙げます。

 


学習塾で脱サラ:ポイント1
「貯金」


開業前の準備で欠かせないのが「貯金」です。塾開業後、「1ヶ月目から生徒30名」ということにはなりません。最低6ヶ月は無収入でも生活できる「貯金」が必要です。

 

なお、日本政策金融公庫などからお金を借りる方法があります。この場合でもサラリーマン時代にできる限りお金を貯めておけば、余裕をもって生徒募集(広告)に投資ができて有利です。開業当初の適切な投資が、早期の経営安定に欠かせません。

 


学習塾で脱サラ:ポイント2
「お金の扱い」


脱サラして経営者になると、サラリーマン時代と違って「(生活の)自由度」が格段に上がります。そんな環境で、日本政策金融公庫や銀行などから借りた多額の「お金」が手に入った状況を想像してみてください。

 

「環境が人と作る」という言葉がありますが、「環境が人を変える」ことがあるので注意してください。「自由」と「お金」が合わさると、「すでに大成功したかのように」錯覚してしまう人がいるのです。本来、借りたお金は塾経営の「投資」にまわさなければなりません。お金を使って、より多くのお金を集め、経営を早期に軌道に乗せる必要があるからです。

 

ところが、現実にはお金を直接生まない「車(高級車)」や「旅行」に開業資金を使ってしまう人がいるのです。サラリーマン時代から「投資」と「浪費」を考える訓練が欠かせません。どんな安い買い物でも、「これは投資なのか、浪費なのか」を常に考えるようにしましょう。

 


学習塾で脱サラ:ポイント3
「経営計画」


フランチャイズに加盟すると、担当者と一緒に経営計画を立てることができますが、組織に属さずに個人塾を開業する場合には、学習塾経営の「いろは」から情報収集から始めなくてはなりません。

 

何月に開業すれば、生徒が集まりやすく成功しやすいのか? 損益分岐点は? テナントの場所と家賃は?チラシをまくタイミングは? 配布エリアと部数、ターゲットとする学力層・・・など、成功のためには綿密な計画が欠かせません。

 

また、計画書がなければ、融資も受けられません。塾を開業してから不足している知識を補う状況では、経営管理・運営に割く時間が減り、仕事に悪影響が出てしまいます。インターネット検索はもちろん、フランチャイズ企業へ資料請求(無料)などして、情報を集めて整理することが大切です。

 

最初は膨大な情報に圧倒されますが、不思議なもので、目が慣れてきます。自塾のイメージにあった情報整理を行えば、自ずと計画が立てやすくなります。「準備8割(成功するかどうかの80%は準備で決まる)」を忘れないでください。

 


学習塾で脱サラ:ポイント4
「自己分析、過信を疑う」


脱サラして学習塾で起業する人とたくさん会ってきた経験から、成功者の共通点を挙げることができます。それは、エネルギッシュもしくは明るく、積極的な人は成功しやすいということです。ただし、逆に大失敗をするケースも見られます。

 

例えば、サラリーマン時代に会社内でトップを争っていたような人。経歴を伺うと、「営業成績が社内1位になり、表彰されたことがある」という方もいました。このような人は、独立しても自分ならできるという「自信」があるのですが、なぜすごい実績を残せたのかを客観的に捉えていないケースがあるのです。

 

サラリーマン時代の輝かしい成績は、会社という看板(ブランド力)があってこそ、達成できたという客観視が大切です。いざ会社の看板が外れれば、社会からの信用は一気に下がります。フランチャイズに加盟せず個人塾で勝負する場合、「できる人(過去、できた人)」だからこそ、「過信」が原因となって経営失敗につながることもあるのです。

 

自信は必要ですが、過信ではないか、疑う心も大切です。また、周囲のアドバイスを「素直」に受け入れる素質も大切になります。開業を失敗したら、過去の自信やプライドが傷つき、立ち直ることが難しくなってしまいますから、この点は充分に注意してください。

 

学習塾で成功する人の特徴、それは会社の看板が無くなっても、勝負できる確かな能力があるということです。独立起業とは、自社で取り扱っている商品やサービスを売るということ。

 

学習塾では、商品が「塾長」で、サービスが「学習管理・指導」です。商品を売るためには、まずは自分を売る。そのために、過去の経歴を棚卸しして、保護者にとって価値のある「自分の強み」を見つける必要があります。指導者がブランド。己を知って磨き上げることです。「過信」チェックも兼ね、開業前に自己分析を徹底してください。

 


学習塾で脱サラ:ポイント5
「自己管理」


起業すると、サラリーマン時代と比べて自由な時間が増えます。出社時間も退社時間も決められていません。サラリーマン時代のような規則正しい生活を守れるかどうか。厳しいだけでもダメですし、ゆるみ過ぎてもだめです。

 

午前中はランニングや野球教室などで汗を流し、午後はポスティングして教室掃除。夕方から21時頃まで授業というライフスタイル。そんな成功組の塾長もいます。デジタル教材で自立学習型の塾を運営されているので、授業の準備ないのが特徴でしょうか。その方は「自分が健康であってこそ、生徒も保護者も家族も幸せにできる」と、笑顔でおっしゃっていました。

 

何に時間を使うべきか、お話を聞くだけでも勉強になります。塾開業後は、いちばん「能力」を発揮できる「ライフスタイル」を求めるようにしましょう。

 


まとめ


第一に、学習塾開業で現実的に必要なのは「貯金」ですが、融資を受ければ突破できます。問題はむしろ、その次です。お金は使い方の方が難しいのです。「お金は投資にまわす」という視点を徹底することが大切です。

 

「投資」の言葉に向きあえたら、さらに思考を発展させて「経営計画」まで高めていきます。そのあとは、自塾の強みを客観視する「自己分析」。開業後は自己管理が必須なので、いちばん「能力」を最大化できて、生徒・保護者・家族のためになるライフスタイルを築くことが塾経営成功のキーワードです。骨子だけですが、以上が「笑顔あふれる学習塾経営」の道筋です。


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